町立図書館設置条例に関する声明


2019年9月に行われた当別町議会での町立図書館設置に関する議論について、当法人理事会は次のとおり声明を発表しました。

 

                                                                                               2019年9月27日

                           町立図書館設置条例に関する声明

 

                                                                   NPO法人ゆめの種子(たね)トーペッ理事会 

 

 2019年9月20日の当別町議会定例会の一般質問で、島田裕司議員(緑風会)は「町民の図書館要望は、今日まで陳情要望や署名活動などに現れていて、切実なものがあり…、町や教育委員会の現状を考え、町民要望を踏まえると、現実的な対応が必要ではないか…、そのためにまず、現況の図書室のある「当別町学習交流センター」の建物全体を、「図書館設置条例」で町立図書館として位置づけえるべき」であり、「将来、建設される図書館への〈基礎固め〉のために、今からできることに早急に手をつけてはどうか?」と質問しました。これに対して、所管する当別町教育委員会の本庄教育長は「できるだけ時間をかけないで、図書館設置条例の制定を図書館建設に先行して行う」旨の答弁をしました。また宮司町長は、「(図書館を設置するための)複合施設の新設が具体的に進まない中で、条例を先行させようということで教育長とも十分協議して決めた」と答弁しました。

 これまでわたしたちNPO法人は、長年、再三にわたり当別町議会及び当別町長、教育長に対し陳情書や要望書を提出して、町立図書館を早期に設置するよう働きかけてきました。いまさら公立図書館の役割や機能を述べるまでもなく、市民生活に図書館は欠かせないものとなっています。町の財政が厳しい状況の中で、町や民間の既存施設の活用などを含め新たな施設建設にこだわることなく、どのようにしたら図書館が実現できるかということも提案してきたところです。しかしながら当別町は、新しいハコモノの建設にこだわり続け、それを理由に公立図書館の設置を先送りしてきました 。

 このたびの町長、教育長の議会答弁は、そういったこれまでの方針を転換し、図書館開設に向け条例を設置してできるだけ早期に公立図書館を実現するという意思表示でした。わたしたちNPO法人は、今議会での図書館をめぐる議論は、当別町における公立図書館の実現に向けた第一歩となると考え、これを大きく評価したいと思います。

 わたしたちは、日頃から、おもに子どもたちを対象にして「ゆめのたね文庫」を開設していますが、そこで感じることは日々、子どもたちが読書から遠ざかっていく状況が切実であるということです。またこの町で暮らす人びとが何か学ぼうとしたときに、そのきっかけを作ってくれるような〈場〉が何もないという現状です。こういった悲しい現実を打開するために、まず公立図書館の設置が欠かせません。

 繰り返しになりますが、町長、教育長は、図書館開設に向け条例を設置し早期に公立図書館を実現すると町民に約束をしました。今後、専門的な職員を早期に配置し、資料収集にも着手することになるでしょう。わたしたちNPO法人は当別町が公立図書館を具体的に始めるにあたり、ボランティアを組織するなど全面的に協力していきたいと考えます。